インプレスグループで山岳・自然分野のメディア事業を手がける株式会社山と溪谷社(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:関本彰大)は、2月22日に『定本 黒部の山賊 アルプスの怪』を刊行いたします。
北アルプスの最奥部・黒部原流域のフロンティアとして、長く山小屋(三俣山荘、雲ノ平山荘、水晶小屋、湯俣山荘)の経営に携わってきた伊藤正一と、遠山富士弥、遠山林平、鬼窪善一郎、倉繁勝太郎ら「山賊」と称された仲間たちによる、戦後アルプス大衆登山黎明期、驚天動地の昔話。また、埋蔵金伝説、山のバケモノ、山岳遭難、山小屋暮らしのあれこれなど、幅の広い「山の話題」が盛り込まれていて、読む者をして、まるで黒部の奥地にいるような気持ちにさせてくれる、山岳名著の一書です。
1964年に実業之日本社から初版が刊行された際は、多くの読者からの好評を得、その後、新版も刊行されました。ですが、久しく一般に流通していない状態で、山小屋(およびウェブサイト)でのみ購入できる幻の名著として読み継がれてきました。今回、著者の最終校訂や、新たに旧版未掲載の新規原稿や貴重な写真も盛り込んで、『定本 黒部の山賊』として、山と溪谷社から刊行されることになりました。
カバー装画は、版画家・畦地梅太郎の作品「山の声」を、巻頭には往時の雲の平周辺の状況を再現したマップを掲載し、巻末には、著者による「定本刊行にあたって」ほか、高桑信一と高橋庄太郎による『黒部の山賊』へのオマージュも収録しています。
【もくじ】
◎山賊たちとの出合い 山賊の舞台・黒部の源流/そのころの世相/山に山賊がいるという/慎重に進む/自分の小屋に宿料を払う/山賊対策会議/山賊たちの正体
◎山賊との奇妙な生活 山賊一味と暮らす/山賊事件の真相/山賊たちの熊狩り/山賊と岩魚/アルプスのキティ台風
◎埋蔵金に憑かれた男たち―別派の山賊 星勇九郎の大金鉱/ほんとうにあるのか山中の埋蔵金
◎山のバケモノたち 道しるべになった水晶岳の白骨/カベッケが原の不思議な呼び声/バケモノに呼ばれた人たち/人を呼ぶ白骨/神がくし?/洞穴の怪/巧みな狸の擬音/「三本指」の足跡/カッパの正体
◎山の遭難事件と登山者 薬師岳の遭難/不思議な遭難/疑われた同行者/非情な同行者/四晩つづいた遭難信号/謎の手紙/人事不省一週間の山上の病人
◎山小屋生活あれこれ 山ぼけ/どうどうめぐり/山小屋の費用/アルプスへの空輸/熊と登山者/熊をならす/山で育った犬
◎その後の山賊たち 黒四と山賊たち/その後の山賊たち
◎補遺 遭難者のお礼参り――いちばん不思議だった話――
◎定本刊行にあたって 伊藤正一
◎寄稿 はるかなる黒部 高桑信一
◎寄稿 そして現在の黒部源流部と雲ノ平へ 高橋庄太郎
【著者プロフィール】
伊藤正一 いとう・しょういち
大正12(1923)年、長野県松本市生まれ。8歳のとき木曾御嶽へ登って以来、北アルプスをくまなく歩いて現在にいたる。昭和21(1946)年、三俣蓮華小屋(現在の三俣山荘)、水晶小屋を譲り受け、「山賊」たちの協力を得て湯俣山荘、雲ノ平山荘を次々と建設し、昭和31(1956)年には北アルプスの最後の楽園「雲ノ平」への最短ルート、伊藤新道(現在、一般登山道としては使われていない)を独力で完成させた。日本勤労者山岳連盟創設者として、大衆登山発展のため、熱意を注いできた。
【書籍概要】
書名:定本 黒部の山賊 アルプスの怪
著者:伊藤正一
仕様:四六版(188㎜×128㎜)、並製
ページ数:224ページ
定価:本体価格1200円+税
ISBN:978-4-635-04768-5
発売日:2014年2月22日
【山と溪谷社】 http://www.yamakei.co.jp/
1930年創業。月刊誌『山と溪谷』を中心に、国内外で山岳・自然科学・アウトドア等の分野で出版活動を展開。さらに、自然、環境、エコロジー、ライフスタイルの分野で多くの出版物を展開しています。
【インプレスグループ】 http://impress.jp/
株式会社インプレスホールディングス(本社:東京都千代田区、代表取締役:関本彰大、証券コード:東証1部9479)を持株会社とするメディアグループ。「IT」「音楽」「デザイン」「山岳・自然」「モバイルサービス」を主要テーマに専門性の高いコンテンツ+サービスを提供するメディア事業を展開しています。
以上
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